KSat

雨のKSatのレビュー・感想・評価

(1929年製作の映画)
3.9
文字通り、雨にほかならないし、雨そのものである。

しかし、本当に素晴らしいのは、雨が降っている風景を映したものではなく、その前後、つまり、雨が降る前と止んだ後の表現である。
川に始まり、川に終わるのだが、雲の様や鳥の動き、風の様子などの描写で、雨の到来/終焉を表すモンタージュは、見事としかいいようがない。

それでいて、各ショットが同じ長さに切り揃えられ、均一化されているところに、禁欲的な美しさを感じることができる。

イヴァンスが「風」を捉えようとした、60年後の「風の物語」にも期待。
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