Cisaraghi

ダンケルクのCisaraghiのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
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戦争映画、それも大昔の戦争ではなく最近の戦争なので、大ざっぱに言えばこの頃、自分の属している国の兵隊はこの国と戦うために東南アジア方面にいた、そして大半が飢えや病気に苦しんで無惨に亡くなっていった、ということをどうしても見ながら思ってしまって、もちろん敵国だった英国に反発を感じるとか敗けて悔しいとか全くそんなのではないけれど、やっぱり戦勝国の人の気持ちはわからんというか、その気持ちにはなれんというか、いまだにあの戦争を引きずっている敗戦国のドイツや日本とは決定的に違うのだと思った。
 また、この映画を見ていない歴史通の人にダンケルクの話をすると、あー、あれはフランス人可哀想ですよね、と言われたという話を伝え聞き、なるほど、と思った。地理的に仕方ないとはいえ、逃げられないフランス人と、島に逃げ込めばひとまず安泰な英国人。その辺りがBrexit 的な映画と言われる所以なのだろうと理解した。

爆音がズンズンと体に響いてくるIMAXは実に心臓に悪い。実際に自分の身体に危険が及ぶのではないかと怖くなり、バーチャルな偽の戦場の怖さを感じるどころではなかった。

聴くドラッグのように脳内で緊迫感を生じさせる効果のある通底音的なBGMではなく、もっと違うバージョンで、ヤクの力を借りずに見てみたかったかも。
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