ざわ

ダンケルクのざわのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

しんどい。重い映画ってのもあるし、大画面・大音量高音質なので画面酔いもする。あと、常に追い立てられるようなBGM。秒針の音や、心音のように一定リズム刻んでる低い音が常に鳴ってる。そうじゃない時も一定音連打→不協和音足す みたいな単純に不安感煽られるのが多かった。
だから、終盤にある一瞬無音になる瞬間が際立つ。
「退屈」って感想も見るけど、退屈なんてしてられないほど(私は)焦燥感にかられた。
最初の銃声から映画の中に否応なしに引きずり込まれる。観ている側も逃走に加えられる。怖。

終盤のファリア無双最高。英国人に感情移入してるので、スピットファイアが来た時の安心感がすごい。墜ちて小型船にいたコリンズが「頼むぞファリア」って呟いてるの凄く良い。全幅の信頼を寄せてる感。ファリアもそれに応えるからかっこ良いんだよね。トムハもジャクロくんもマスク越しでも表情が見えるようだった。

若めの俳優が多かったけど、全然負けず劣らず目力強いし生命にかける狂気感も出てる。
トムグリくんのハイネック赤ニット、憔悴しきったキリアン、ジャクロくんの軍服乱れ前髪あたりが非常に好き。

凄惨な戦争シーンとは反して、海や空はとても綺麗に撮られてた。あとここぞって時の人の顔も(小船達が助けに来た時にケネス・ブラナーの顔に光がさしてるのとか、ファリアのラストの燃やしてるシーンとか)。

あとは、誰も生きるのを諦めてなかったのは地味に凄い。

終盤にトミーの読んでたチャーチルの演説、「新世界の大いなる力が古き世界を救い解き放つ」ってやつ、新世界=アメリカよね。実際WW2はアメリカ参戦で大きくバランス傾くし。粋な言い方するな〜映画オリジナル演出かな〜と思ってたら実際にチャーチルが言った事なのね。



2回目からの追記(2023.07.20)
コリンズ、ネクタイまでちゃんとした割と綺麗な軍服なんだよね。将校だから(?)
ファリアも服はわからんかったけど恐らく似たような感じなんだろう。

映画はファリアが捕まるなんとも言えないシーンで終わるけど、捕虜になったファリアは将校だしそこそこまともな扱いを受けてなんやかんや無事に英国に戻れそうだよね。
それよりこれからバトルオブブリテンを控えるコリンズですよ。この先生きのこれるのか。
トミーとアレックスはノルマンディーかな。東南アジアかな。無理でしょ。

やっぱりww1-2映画を観ていていつも思うのが、「まだここか」なんだよね。私たちは歴史の顛末も知ってるので、登場人物たちが今後どんな苦難に巻き込まれるのか想像がついてしまうのが辛いね。

物語として、歴史として、年表上の知識として知っていると終わりが見えてるけど、この時代に実際に生きていた人々は終わりの見えない中でこんなことしてたの本当にやばいよな。

あと、オムニバスの組み立て方がうますぎる。
ざわ

ざわ