陸海空…そして時間の集束。緻密な構成の立体的な展開力は圧巻。加えて、劇伴と映像の織り成す圧倒的臨場感。確かにIMAXで観るべき作品かもしれませんね。
徹底して一側面から、この撤退・救出作戦を切り取ってある事で、観る側を登場人物たちと同じ場所に没入させてくる手法も見事。姿の見えない敵…というのも戦争映画としては新しい観せ方だったと思います。
だからこそ観終わった後の疲労感が凄い。
戦争映画特有の凄惨さは控えめですが、切迫した状況から逃れるルーティンの連続を追体験すると、精神的に疲れますね(^_^;)
民間船が集まって…という実際のエピソードも確かに素晴らしい。一人でも多くの命を救う為に尽力した彼等こそが、名も無き英雄たち。これがダンケルクスピリッツ。
それを知らしめる意味でも、作品として素晴らしかったです。高い評価も頷けます。
うーん…ううーん…うむむ…(-_-;)
悩みに悩んで、個人的には3.4に着地。
…ここからは与太話。
今作の『敵』はドイツ・イタリア・日本を中心とする枢軸国陣営。
舞台となったDunkerqueがあるフランスは、この撤退作戦の後に降伏を余儀なくされ占領下へ。この後に起こった真珠湾攻撃を受けて、アメリカが連合軍側に加わった事で、戦況は大きく傾いていきます。
そしてドイツが降伏したことでヨーロッパは終戦を迎え、戦況は『日本vs全世界』というフルボッコ必至な構図に。
次いで1945年…東京大空襲と『この世界の片隅に』と『ハクソー・リッジ』が起こる…『永遠の0』もこの頃の出来事。
それぞれに描かれているものは違っていても、その中で感じるものは同義のはず。
その対比の中で、ほんの少しノーラン監督の描き方に疑問を感じてしまった。
史実を基にってのが呪縛なのか、個人的に気分が乗り切れていなかったのか…没入感はあるのに、感情だけスクリーンのこちら側にいる、どこか乖離した感覚。感情移入をさせない作品の作りなのは理解してるけど…それって結局、痛切な感情の出力値が低くて、死が与えるインパクトも軽い。
本当は夥しい死がそこにあったはずなのに目には見えない…リアルなのにリアルじゃない気持ち悪さ。まるで安全が保証されてるアトラクションみたいだなって。あ、別に死が見たい訳じゃないですよ?(^_^;)
私の個人的なノーラン監督の作品のイメージと違ったから、ちょっと消化不良なのかもしれません。単に好みの問題かな…
みんなが絶賛してるから、なんか気が引けるんですが…(; ̄ェ ̄)
なんか、らしくないな…って。
また見直す機会があれば、違うのかな?
なんともウダウダ書きましたが…
『映像作品として秀逸』なのは確かです。
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