みかん

ダンケルクのみかんのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.8
第二次世界大戦真っ只中の1940年。ドイツ軍により、フランス北端ダンケルクの地に追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士たち。軍人だけでなく民間人も協力して彼らの大救出作戦を決行し、奇跡を起こした『ダンケルクの戦い』の実話に基づく戦争サスペンス。

陸、海、空パートに分かれて、視点が切り替わりながら進行する構成。

本当に自分が戦場に放り込まれて体験しているかのような錯覚を起こす、バーチャルリアリティのようなカメラワークにとにかく驚愕でした。

陸パートでは、冒頭から名も無き一兵士としていきなり戦場に投げ込まれたような気持ちになり、まさに一寸先は闇というような生きるか死ぬかの怒涛の展開に緊張しっぱなしでした。

海パートでは、頭上をスピットファイア(戦闘機)がまさに飛んでったような臨場感を味わいながら、民間人でしかもレジャー用の舟で使命に燃えるドーソン船長に感服しました。

空パートでは、一瞬自分がコックピットにいるような感覚になり、敵との空中戦に手に汗握り、危険を顧みず救うべき仲間たちのために最後まで諦めないでやり遂げようとする勇気に感銘を受けました。

3つのルートが合わさった時の壮大な光景に、これが"ダンケルク・スピリット"か!と目頭熱くなりました。

いわゆる"戦争映画"とは違って、敵味方の殺し合いといった戦闘シーンは無く、陸パートのひたすら生きて帰るための脱出劇と、海・空パートの仲間を助けるために命懸けで駆けつける救出劇が繰り広げられるのが斬新で、セリフで直接語らなくても、登場人物たちの必死さから、戦争の悲惨さや過酷さがびしびし伝わってきました。

エンディングはとても印象的で、戦場は切り離された別世界ではなくて、自分たちの日常の先にずーっと繋がってて、同じ時間に確かに起きていることであるという事実を重く突き付けられて、深く考えさせられました。


★1940年。第二次世界大戦序盤、ドイツの電撃作戦でたちまちフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士たち。

背後は海で逃げ場無し。しかも港は遠浅で大型の軍艦が寄せられない上、イギリス本土への攻撃に備え兵力を温存するために中型の軍艦をわずかに往復させるのがやっとで、とても40万人も救えそうにない絶望的な状況。

その中で生き抜こうとする兵士たちと、イギリスから対岸のダンケルクまで助けに向かう民間船、形成不利を承知で出撃する英空軍パイロット。

史上最大の救出作戦は果たして成功するのだろうか、、?
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