タカハラ

映画 聲の形のタカハラのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.2
1人の少年が長い時間をかけて、他者と自分から赦されるまでを描いた贖罪の物語。
コミュニケーションの難しさ、だからこそのお互いを理解できた時の尊さを、丁寧に時に大胆に、エモーショナルに、美しいアニメーションで表現した骨太な作品。

●良かった点
・風景、背景に至るまでの繊細な描写。
考え抜かれた演出。何を見せて、何を見せないのか。繰り返し鑑賞して、確かめたい気持ちにさせるスルメ効果がすごい。

・骨太なメッセージ
恋愛、もしくは障害の有無をメインテーマに描いているのではなく、

他人に思いを伝えることの難しさ
思いを正しく受けとる事の難しさ

そういったコミュニケーションについて丁寧に描いている。だからこそ、多くの人の心に届く物語となっている。
人と人がどうやって共に生きていくのかについて考えさせられる。

・演技
リアルとキャラクターとしてのバランスが絶妙で、まるで目の前に生きて、悩んでいるように思えてくる。
胸に響くエモーショナルな芝居。

●悪かった点
7巻分の原作を2時間の映画にしているので、カットされて、キャラクター描写が足りないと感じる部分もあり。
真摯にコミュニケーションについて描かれた映画ED曲が、恋についての曲なのはどうなんだろうか。(曲は良い曲だけど)
タカハラ

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