タカハラ

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のタカハラのレビュー・感想・評価

2.9
ひと夏の忘れられない出来事として描かれる、if~もしあの時こうしていたら~の世界。
もし、あの時違う選択をしていたら。
主人公 典道が不思議玉(?)に強く願い、その願いに応えて不思議玉が見せてくれた様々な可能性。可能性が何層にも重なってループする。やがて、美しい花火をバックに、通じ合えた2人の想いが繰り返すループを突破する。
切ない余韻を残し、多くを語らないラストが印象深い。

●良かった点
前半、テンポがよくないけれど、中盤以降のファンタジック展開は見応えあり。
独特のアニメ表現はシャフトが制作するアニメだなという印象で、<物語>シリーズのような演出が多かった。(目のアップや、下からの見上げるショットなど、不思議な体の傾きなど)

所々に、ジブリオマージュのようなシーンが見受けられた気がするのは私だけでしょうか。
(坂道の自転車2人乗り→コクリコ坂
水上での電車→千と千尋
体がビリビリと揺れる描写→トトロ)

ラストに流れる主題歌『打上花火 by DAOKO』が、2人の切ない心情を丁寧に表している。夏に聞きたい良い曲。デュエット曲なのもgood。

●悪かった点
元々の実写ドラマを無理やりにアニメ化しているので、ドラマ版が好き、岩井俊二監督作品好きには合わないかも、、
普段、アニメを見慣れていない人には独特なアニメ表現なので見づらく分かりにくいかも、、
大作アニメではあるけれど、内容はシャフト感が強く出ている私小説風アニメという矛盾がある、、
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