タカハラ

劇場のタカハラのレビュー・感想・評価

劇場(2020年製作の映画)
3.4
青春(モラトリアム)の終わりをビターに描く物語、、だけではなかった。
メタ的な構造、現実と理想、フィクションと実人生。それを観る観客の私達。
そのレイヤーが重なりあうラストは、劇中のセリフ『演劇で表現できる事は現実でも叶う』にもあったように、演劇又は物語によって現実を変えられる、という作者の想いが強く伝わる仕掛けになっていて感動的。
主演2人の演技に心が揺さぶられた。
役を生きるとは、こういう事をいうのかもしれない。

●良かった点
山崎賢人、松岡茉優の演技。
ほぼ、2人芝居のシーンは、終盤になるほどに緊張感を増してきて見応えあり。

ラブシーンなど、直接的な描写がなくとも、2人の関係性が伝わってくる演出。

初期の行定監督作品(贅沢な骨、ロックンロールミシンあたり)のような雰囲気、あの時代の邦画が好きな人にはオススメ。

●悪かった点
モノローグが多く説明的なところ。

主人公永田の行動には、イライラしてしまう、、(自分にもある永田的部分を感じての裏返し?かも)

主演2人に興味ない、苦手な人にはオススメできないかも。
タカハラ

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