ヒトデって繁殖方法が実に様々で、単為生殖、無性生殖、雌雄同体だったりする、そうですよ。
映画の内容に関して調べようとして、いつの間にか深まるヒトデの生態についての知見。
"体調"って、大事じゃないですかぁ?
と、思わず半疑問形で言い訳せざるを得ないのも、本作の魅力を十全に味わい尽くす為の気構え、心の準備、が出来てなかったっていうかぁ…。
島の住人は女性と少年たちだけ。
主人公ニコラの母親をはじめ、ママさん連中が夜な夜な家を抜け出して、ナニやら怪しげなイベントを開催しておる模様。
島は謎だらけ。
消えた死体、緑色の液体、大人のオトコはいずこ?
ママンは何にも答えてくれん…。
疑念を募らせるニコラくん、問答無用の強制入院。
そしてたどり着く、人類補完計画 in おフランス。
"少年よ、ヒトデになれ!"
…つってね。
黝く滲み、溶け合う赤と青。
ニューロティックな映像、頽廃的な物語。
考えるよりも、感じる映画。
いやはや、抽・象・的。
性愛の部分を排した"生殖としての性"。
主人公ニコラの視点を通して、我々観客は"人間の生臭さ"を目の当たりにさせられるのであります。
監督自身の奔放なイメージを、そのまま映像に焼き付けたような印象。
無意識に訴えるようなビジュアルの鮮烈さには圧倒されたものの…。
「うわぁ、絵、みた〜い…。」
半開きの口からヨダレを垂らしながら、眠気と戦ってる内に鑑賞を終えたのが実際のところ。
幻想的なムードに"ちょいグロ"を忍ばせ、つまり好きなテイストではあるけども。
SF風に味付けされたアートフィルム…ってところで止まり、それ以上のセンスオブワンダーは感得できず。
ジャンル映画ばっかし観て、感受性の鈍麻した自分には少し荷が重かったのかしら。
解釈を委ねる系の映画に委ねられちゃった解釈を、委ねられっぱなしで放置。
ヒトデに愛着を覚え始めた夜更け、やがて呆けた表情で家路についたのでした…。
…ここ二、三年の間のこと。
ついさっき用を足したばかりでも、激烈な尿意に襲われるのです。
僕の神経伝達は、よりスピーディーに!
日々、エヴォリューションが止まらないのです。