イペー

ハードウェアのイペーのレビュー・感想・評価

ハードウェア(1990年製作の映画)
2.7
映画ファンの皆様の話題を独占する、あの超大作に及ぼした影響が全く無い…とは言い切れないこともない!

サイバーパンク華やかなりし時代の徒花、
往年のSFスリラー『ハードウェア』でございます。

荒廃した近未来の風景、ジャンク屋に現れる謎の男、人口増加への対応を迫られる政府…。うん、掴みはバッチリ。
主人公っぽいヤサグレ兄貴、片手がメカ。
サイバーだし、パンクだねぇ…。

この兄貴が恋人に会いに行くんですけども、土産がわりに彼女にロボのパーツを渡すんですね。
そしてそこには、重大かつ危険な秘密が…っていう。

何やら壮大な物語の幕開けを予感させますが、ここから場面転換ほとんどナシ。
事件はマンションの一室および、ご近所だけで起こるというコンパクト設計!

手を替え品を替え、やたらと思わせぶりな演出で引っ張るだけ引っ張って、ようやくその威容を現すのは、恐るべき殺人ロボ。
緩慢でギクシャクした動きは、視聴者に無駄な緊張を与えません!…優しい!

眼精疲労や頭痛を誘発する画面のチカチカ、寄りすぎなカメラに耐えつつ。

面白ヨガのシーン、謎過ぎるメカ兄貴大往生のシーン、唐突で乱暴な人体破壊シーン…などを観終える頃には、映画ファンとしてのステージが一段上がったな、と手応えを感じました。

他にも語りたい要素は幾らでもあります。
彼女の隣の部屋に住まうピーピング変態野郎の魅力や、恐るべき殺人ロボの(スマホ以下の)弱点なんかも。

しかし、残念ながら時間は限りあるもの。自分も一刻も早く、より有意義なことに時間を費やすべき。
お部屋のお片付けとかね!

公開当時は、かなり話題になったとか。
イギーポップ、レミーキルミスター、ジョンライドンが関わってたりなんかして、音楽含めて雰囲気はバッチリですよ、雰囲気は。

うーむ…。時代の変遷に耐え得る作品こそが、"名作"であるとしても、SF映画は特にその傾向が強いなぁ、と改めて思います。
素直に『ブレードランナー』観直そう、そうしよう。

…まあ、低い点数つけちゃいましたけども、決してキライじゃないです。
だってロボの必殺技、まさかの毒針なんだもの…ロボなのに。
イペー

イペー