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ダゲレオタイプの女のcyberiancorgiのレビュー・感想・評価

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
4.0
被写体の存在を固定してしまう、その場にとどめてしまうって、霊が生まれる理由としてこれほど説得力あるものはない。
このカメラは人を決められた場所に永遠に閉じ込めてしまう。フレームの中を切り取ってしまう。
同じ姿勢でい続けることなんて自分だったらムリだわとか思ったけど、よくよく考えて映画ってそもそもそうじゃん。
鑑賞形態も変わってきて、再生速度だっていじれる現代、映画を見るってことが本来持っている不自由さを改めて見つめ直す。
実在と不在と、リアルとアンリアルの境界が失っていく中で、想像力がせっせと働く。
不自由であることが想像の自由に繋がっていたかも知れない。不自由を自覚して自由を実感する。現実はあまりにも不自由だ。想像が、非現実が、あまりにも自由すぎるんだ。
不自由に囚われた男たちの、自由への逃避だった。それは悲劇だった。
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