カテリーナ

聖の青春のカテリーナのレビュー・感想・評価

聖の青春(2016年製作の映画)
3.8
20kg体重を増やして熱演の松山ケンイチ

5歳で発症したネフローゼ症候群という難病と付き合いながら村山聖は将棋にその生涯を賭けて短すぎる生涯を駆け抜けた
正に壮絶な人生だった

ライバル視していた羽生善治との対局の緊迫感に反して 二人で酒を酌み交わす場面での聖の言葉は柔和でこの作品の中で描かれる聖の周りの人々に対する辛辣な言葉や態度を見ているので唯一聖が優しい言葉をかけるのが一際印象的だつた

聖にとって羽生善治という存在は
何だったんだろう
憧れや目標 同志 それ以上の存在だったのだろうか

冒頭 挟み込まれる人間や動物の日常の画が
意味深に感じてしまう
聖は人並みの青春をおくることは許されていない それを象徴するかのような
楽しそうな女子学生の下校風景や
つがいで飛び立つ鶴の姿が何故か心に引っかかる

主要人物以外の背景でしかない
人々の生きた演出は特筆すべきだろう
脇の柄本時生のせわしなく煙草を吸ったり
交わす言葉など演技してるというより
実在してるとしか思えないほど
自然で素晴らしかった

将棋年鑑のプロフィールに今年の目標を 生きると書き残してる(wikiによる)
その年の8月に29歳の生涯を閉じた
合掌
カテリーナ

カテリーナ