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スイス・アーミー・マンのしおえもんGoGoのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.6
なんかすごく不思議な映画。
このパッケージと「死体に乗って島を脱出する男の話」程度の予備知識しかなく見たので、まず冒頭始まって5分ぐらいでいきなり男に乗り始めたテンポの速さに驚いた。どういう話??

しかもおなら。また音や出方が妙にリアルで、笑うポイントなのか?下品なのか?と戸惑いながら見ていくと、今度は口から水が出てくる。

うげーーーーー。いやいや、きったな!病気になるよ?とドン引きして見ていたら、今度は死体がしゃべり始める。
ははーん、これはキャストアウェイのウィルソン的なやつなのかなと思ってたら続々と出てくる「スイスアーミーマン」の機能が。

これがもうバカバカしくて、ここまで来たらもう笑える。

以下ネタバレあります。


色んなフィギュアを手作りしてミニーに人生を説明しようとするハンク。
でも3歳児のなぜなぜ期のように何でも問い返すミニーに応えていくうちに、ハンクは自分の人生の孤独や弱さに向き合う羽目になる。

こうなると、ハンクの寂しさや切なさ、我が身にも置き換えた人生の意味、人を愛するという事の素敵さ、と同時に相手が死体というシュールさや、何やってんの?という滑稽さなど、いろんな感情がレイヤーのように同時に重なって、それを通して美しいアートのような映像を見てる不思議な感覚に。だから ああきれいだな、素敵だな、切ないなと思うのと同時に、冷めるわけでは無く「何やってんの?」という気持ちも持っている。この感覚が不思議。

途中ハンクとメニーの意識がリンクし始めたり、立場が入れ替わったりするところでは実はハンクはメニーだったというようなホラー展開や、最終的にやっぱりハンクの妄想展開も予想したが、意外と爽快感のあるラストとなった。
人前でも気にせずおならするハンク。最初にあれ程不愉快だったおならがなんて爽やかなのか。

そして最終的に私の感想はまさにサラが言ってくれた。
「What The Fuck」
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