シネマスナイパーF

スイス・アーミー・マンのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
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社会の中で満たされず窮屈さを感じて生きていた人間が、その窮屈さを克服して新しい扉を開いていく、その過程が死体とのバディムービー、そういう話です

メニーという存在がそもそもめちゃくちゃなのでなんでもありっぽい、とはいえ、それでもフォローしておかないと観る上でのノイズに間違いなくなってしまう部分は正直多いですが、どういう映画なのか、というそういった意味で評価してみると、いやはや長編デビュー作としてとんでもない出来では
ミュージックビデオ出身監督コンビならでは、とんでもない勢いのオープニングでこの映画は勝ちでした
タイトルの出方、最高

作り手たちによる作り話という存在としての「映画」が持つ所謂寓話的な性質を、この映画は充分に発揮しています
観終わった観客すら現実に引き戻させないぐらいの心意気があります

人間賛歌、とは少し違うかな、とは思いますが、メニーの台詞を借りれば、「『人生』ってなに?」ということを、とっても感慨深く感じさせられる素敵な映画でした
僕はこれ、オールタイムベスト級
5点じゃ足りない
隅から隅まで愛したいです