April01

パターソンのApril01のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.4
物語の中で綴られる詩の流れ方が秀逸。音読って大事だな~と改めて実感、加えて文字で感じさせるスタイルが新鮮。

感情の高まりは最後に一気にきた。意外にもそのトリガーとなったのは永瀬正敏、アダム・ドライバーとの会話の場面。
わざとジャパニーズ・イングリッシュにしてるのも演技のうちかな。英語ペラペラのバイリンガルビジネスマン的ホワイトカラーでないことを仄めかすための工夫がありあり。
原語を併記した詩集が素敵!

ブルーカラーの日常、2~3万の妻の買い物に微妙な表情を一瞬見せる経済状況、それでも夫婦関係が壊れる原因にはならない、お金持ちが幸せとは限らない。

この作品の場合は詩だけれど、芸術とは根本は精神的なものであり、心の中にあるものを形にする作業なんだなと感じる。
主義主張の押し付けや商業主義に流されないジム・ジャームッシュ監督、良い!


詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなもの
Poetry in translation is like taking a shower with raincoat on.
April01

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