しちれゆ

虹をわたってのしちれゆのレビュー・感想・評価

虹をわたって(1972年製作の映画)
3.8
″ディープ横浜を映画とあるく″企画
戦中~1980年代のディープな横浜に多大な関心を持っていて色々な本を読んでいます。1972年制作の本作には戦後 家をなくした人々が住まいとした中村川や大岡川に浮かぶだるま船やかつての横浜の様子が出てくると聞いて速攻 見に行きました。
だるま船とは敗戦後 被災や米軍の接収によって家を失った人々が住み着き、やがて港湾労働者の安宿や売春宿などの水上スラムとなっていった船です。この映画は当時人気絶頂だった天地真理のアイドル映画で大金持ちの令嬢が家出をしてだるま船にやって来るというお話。二十歳の真理さんがたくさん歌います。そして若き沢田研二や萩原健一、岸部四郎(シロー)も出演。
天地真理さんのレトロ可愛いファッションも楽しく意外にも(失礼!)歌が上手。作中では だるま船に住む貧しい人々と真理さんが楽しく暮らすのだが実際は不衛生極まりない最底辺の場所であったと思う。
また我がホームタウン元町や今は寂れている代官坂のナイトクラブ クリフサイドも出てきてとても興味深かった(タイムスリップしてみたい)。
見に来ている人はほぼ全員おじいさん👴
真理さんのファンだった方々でしょうか。
そして沢田研二が山崎育三郎に似ていて驚きました。

因みに1963年黒澤明監督の『天国と地獄』にも当時のヒロポン中毒者の巣窟 日の出町が出てきます。
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