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リベリアの白い血の会社員のレビュー・感想・評価

リベリアの白い血(2015年製作の映画)
3.0
リベリアのゴムプランテーションで働く主人公が、貧しい暮らしから抜け出そうとニューヨークに旅立つ。しかしそこで彼を待ち受けるのは、リベリアとあまり変わらぬ過酷な生活だった。加えて忘れていたはずの内戦中に犯した過ちをも目の前に突きつけられる…。

日本人の若手監督の作品と知り、鑑賞。
まず、作品の大半描かれるリベリアでの生活ぶりが、何とも居たたまれない。バケツ一杯の樹脂を運ぶシーンでは、見ている側までどっと疲れが吹き出す。

リベリアではストライキ中裸足でサッカーをし、ニューヨークでは靴を履きサッカーをする。リベリアではゴムの樹脂を運び、ニューヨークではゴムのタイヤを交換する。象徴的な対比ではあるものの、彼らにとってリベリアとニューヨーク、異なるところはほとんどないと言うべきである。

かつて樹脂を採取していた頃と同じように、黙々とタイヤを交換するシーンが印象的であった。どこに行っても亡霊がつきまとい、貧しい移民として暮らさざるを得ない彼らにとって、真の意味で安住の地はあるのか。
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