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ふたりの桃源郷のmasamiのレビュー・感想・評価

ふたりの桃源郷(2016年製作の映画)
4.0
地元のテレビ局制作の映画なので、ずっと存在は知ってていつか観たいと思ってたので、やっと観れた…!という気持ちが強い。
上映後に『ぼけますから、よろしくお願いします。』の信友監督と本作の佐々木監督の対談という、私得すぎるイベントもあって超良かった!!
両者とも「老い」と「家族」を題材としたドキュメンタリーを撮ってるけど、一方は他人の目線、もう一方は身内の目線から撮ってて、同じ題材でもこんなにも見方が変わるものなのかぁと思った。そして、監督お二人の想いとか撮影の裏話も聞けて本当に楽しかった…。
お二人にそれぞれパンフレットにサインも頂いて少し話せたけど、緊張して言いたい事の100分の1も言えなくて、本当に己の口下手具合を恨むばかり😇

『ふたりの桃源郷』では、老いた夫婦が山で生活する様子が記録されてて、老いた体には厳しい環境ではあるけど、2人の表情が生き生きしてて、この生き方が2人にとっては幸せなんだろなぁと思った。
特養に入所してるのに、昼は自分で運転して山まで通う生活してるのすごすぎじゃない?当時の事はわからないけど、特養に入所してる人ってほぼ寝たきりのレベルの人ばっかりなんじゃないかな…。
あと、ここのご家族はみんな感情表現が豊かで、みんな泣いたり笑ったりしてて素敵だなぁと思った。特に家族旅行でおじいちゃんがスピーチした後みんな号泣してたところなんて、ちゃんと感情を伝え合うのは大事だと痛感した。うちは気持ちを表に出すのが苦手な人間ばかりだから、なかなか難しそうだし羨ましいなと思う。

老後とか介護とかを扱ったものを観ると、どうやって見送るのが一番いいんだろう?って正解のない事を考えちゃう。何が本人にとって幸せなんだろう。
三女の恵子さんも、「悔いはあるけど」って言ってたようで、あんなにちゃんと両親に向き合って、全力で支えてきても少しは悔いも残るのかぁと思ったら、ちょっと仕方ないのかなって気が楽になった。
それにしても三女の恵子さん、おばあちゃんそっくりなんだよな………三姉妹の中で一番似てるよな………。旦那さんのこと「やっちゃん」って呼んでるのかわいかった。

佐々木監督、めちゃくちゃ人の良さそうな方で、この一家が温かい人たちというのもあるけど、監督の人柄もあって受け入れられて撮影できたんだろうなぁと思った。
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