ブラピをアホヅラにしたようなライアン・オニールのビジュアルが、卑しくも逞しいバリーのキャラにマッチしている。
あらゆるシーンでまず衣装装丁に目が行ってしまう完璧な時代考証といい、主人公の野卑さといい、9年後に制作される『アマデウス』にも影響を与えていることは想像に難くない。
何度か出てくる短銃での決闘シーンもよいが、オニールが、他の兵士と殴り合ったり、フェンシングで戦ったり、義理の息子に暴力を振るったりという、肉体を駆使したアクションが抜群に面白い。敵軍が銃撃してくるのに相対して、無防備に隊列を組んで正面から歩いて迫り、撃たれてバタバタと倒れていく戦闘?シーンも、今よりもずっと人の命が軽かった時代を想わせられて興味深い。
マリサ・ベレンスン演じるリンドン夫人の、いかにも薄幸な美しさも印象的。