オルキリア元ちきーた

バリー・リンドンのオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

バリー・リンドン(1975年製作の映画)
3.7
アイルランド人のレドモンド・バリーという男の野望と栄光と挫折。
映像にトコトンこだわるキューブリック監督らしく
どこをとっても1枚の絵画になるような場面ばかり。
3時間という尺の長さを前編と後編に分けて見せる手法もニクい。

話の内容は退屈だと批評されることも多いらしいけど
私は個人的にはこの作品はコレでいいと思う。

ある男が自分の腕一本でのし上がろうと
知恵と体力と運を使い果たし
最後には失墜して朽ちていくそのさまを
淡々としたナレーションで綴っていく。

一人の人間の栄枯盛衰の物語で
「美しきものも醜きものも 今は同じ すべてあの世」

日本の文学作品にもある
「或る女」とか「田舎教師」のような味わいのある作品。