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しあわせな人生の選択のkのレビュー・感想・評価

しあわせな人生の選択(2015年製作の映画)
3.4
親しければ親しいほど、自分の死を伝えるのは難しいものですよね。逆にいざ伝えたとしても、伝えられた方からすればどう接していいのかわからないものです。だから、あえて伝えない。その選択は、人によっては正しく、人によっては間違いでもあり、それは親しければ親しいほど間違いに近くなるんです。

自分の死期を悟ったフリアンは、友人のトマスと共に、愛犬トルーマンの里親を探すことから残りの余生を生き始めます。この作品の原題でもあるトルーマン。こういう作品に動物が関わってくると余計に悲哀が増すんですよね。でもどうしてこんな邦題をつけてしまったのか。全く。

フリアンにとって、自分の死を伝えなくてはならない一番の人間は間違いなく息子のニコでしょう。それを伝えることができなかったのはある種の後悔でもあり、だからといって元妻があのタイミングで教えてしまったのは、あまりに残酷であり、なんとも言えないんです。でもニコとのお話はそれだけ。ラストもきれいに終わらせたように見えて物足りなさが残ってしまった感じ。トルーマン的には良かったんだけど、なんか中途半端になっちゃってるなー感は否めません。

この作品、意外にもR15指定らしく、最後まで見てみたら、あーなるほど、と。お互いの気持ちの共感は必要ではあるけど、あのシーンは必要だったんだろうか。
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