《作品概要》
肺ガンを患い、余命わずかだと医師から告げられたスペイン在住のフリアンは抗がん剤治療もやめ、身辺整理を始める。そこへ遠く離れたカナダに住んでいる長年の親友トマスが、フリアンのもとを訪れ……。
《感想》
“終活”をテーマとした作品。
フリアンとトマスの友情、愛犬との別れ、息子との絆など、様々な人間ドラマが絡み合う。
本作の特徴で、他の闘病ものの作品と少し違うのは、ガンを患った本人がしっかりと死を受け入れているところです。
そして、親友であるトマスは最初は抗がん剤治療を続けるよう説得するはずだったが、無理にフリアンの決断を否定するのではなく、彼の意思を尊重して優しくただ寄り添うという選択をした。これは中々できることではないと思いました。
フリアンとトマスにとって、共に過ごしたこの4日間はとても短い時間だったけれど、決して忘れることのない、かけがえのない人生の宝物になったことでしょう。
派手さは全くないが、とても心に染みる映画で個人的には非常に好きなタイプの作品でした。傑作。
※でも、この邦題はさすがにないと思う。原題の「Truman」の方がふさわしいと思います。