小さな頃から公務員バンザイな家庭で甘やかされて育ち、立派に代々の代議士とのコネを生かして公務員になり、15年間賄賂というか礼儀を受け取りつつハンコを押すだけの業務に邁進してきた、ケッコ。
しかし、解雇されないのが良いところだった公務員にも、改革の手が伸び、人員整理が行われ整理対象に…しかし解雇は出来ないから、過酷な僻地に飛ばしたりして自主退職を促すものの、どこへ行っても楽しさを見つけたり、恋をしたりで順応するケッコ。
絶対にクビにしたい行政の女史VS絶対に公務員ステータスを失いたくないケッコ、その闘いの結末やいかに…！な、お話。
イタリアの古き良き頃の社会や、南欧と北欧の違いなどが明確に描かれていて、コメディとして笑えるだけでなく、タメにもなる。
もちろんコメディとしても、声出して笑えるところ多数なので、すごーく気軽に観れられるのも良い。
また、イタリアのみならず、アフリカから北極までと、地味に各地の素晴らしい景色が映し出されていて、恒星の話ではないが、地球規模の美しさを感じられる。
恋は盲目というかスーパーなパワーを持っているのは間違いないし、だんだん市民的になっていくのも面白いが、単にあの女史も悪者にせず、落としどころがあるのが良かった。
歌に関しては笑った、僕も爪食い込ませたい。
僕はどちらかと言うと彼女のタイプなのでなんともだけれど、こういう公務員のいじり方、面白かったな。
ビール買いに行かされた彼女も幸せになってることを祈る。
嫉妬はラテンの遺産ってことと、ノルウェーは暗闇に包まれるんだなってことと、15年役所に勤めると自販機のハンダ付けも出来るようになると、学べる一作。
