おときち

ドラゴン・タトゥーの女のおときちのレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
4.0
これはリアルな大人コナン君、または金田一君か。


前から気になっていたけど、なんとなく鑑賞せずにいた作品。配信終了間際だったこともあり鑑賞。


40年前に一族の誰かから殺されたかもしれない、という当時16歳の少女の行方を追う記者ミカエル。
そんなミカエルに協力することになる女性ハッカーのリスベット。


面白い!
面白いんだけど、最近この手の登場人物が多い映画は、1回ですっきり理解できなくなってきてるかもしれない。これは私の集中力のせいや視聴環境のせいかもしれない。

今作に限らず、どうしても初見の時はプロット・ストーリーを追い、登場人物や人間関係に意識が行ってしまう。「これは誰だっけ、どういう関係だったっけ?」と。
そうすると「映画」として楽しかったなぁ、というより「面白い話」だったなぁという感想になってしまう。気をつけよう。

とはいえ、今作は登場人物の数や関係もなんとかついて行けたかな。ちょっと迷子にはなったけど。離島というシチュエーション(ある意味、密室)もあり、あまり風呂敷は広がらなかったかな。時系列はグイッとやられたが。


すでにオープニングの時点でかなりかっこいい。
ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとヤー・ヤー・ヤーズのカレン・Oによる「移民の歌」のカヴァーがもう!
映像もMVみたいにリンクしててかっこよかった。

黒い液体で覆い尽くされ、殴られ、男どもの手で押し込められる、おそらくリスベットと思われる女性。
ここだけで意味ありそうだよな。PCを連想させるようなケーブル類、口から吐き出されるお金とか。カットが細かいので全部わからなかったけど、もっとじっくり観たかった。


ナイン・インチ・ネイルズといえば劇中の音楽もトレント・レズナーとアッティカス・ロスが担当。アルバム『The Fragile』を思い起こさせる、相変わらず不安を煽るような音。
ただちょっと音楽が前に出過ぎてしまった気がしなくもない。
途中でナイン・インチ・ネイルズのTシャツ着てる奴いたのは笑った。
音楽でいえばあとはエンヤか。あれは怖かった。


『007』シリーズ観ていないので、今回が初ダニエル・クレイグ。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のカメオ出演はカウントしません。
渋くてかっこいい。でもちょっと女にだらしないなぁ。
メガネしちゃうともうただのおじさんなのに、それを頭にサッとかけるのがサマになっててかっこよかった。


リスベット。かなり魅力的。最初っからかっこいいんだけど、だんだんとかわいく見えてきて。でも彼女も闇を抱え、途中辛い目にもあう。でもその復讐の仕方もなかなか。かっこいいと言っていいのか困るとこだけど。
リスベット役のルーニー・マーラも初めて観ましたが、他の出演作の画像チェックしたらイメージが違くてびっくり。他の作品も観てみよう。


ミカエルもいい奴っぽいけど基本ダメ男だし、リスベットの後見人はクズだし、マルティンもクズ。ここら辺とオープニング映像を合わせると、女性蔑視やそれに対するカウンターみたいなことも含まれるのかな。
ここら辺はもう一度じっくり観ないとなんとも言えないが。
リスベットがバイク乗りであることや彼女のルックス、変装とか。いろいろ繋がりそう。


ラストはちょっとほろ苦い感じでしたな。


リスベットがインスタント麺を水に浸けてレンジにぶち込むのが好きでした。


きっちりしたシンメトリーや、キリッとした映像から緩急があったり、一瞬のワンカットでアクセントつけたりと、観ていて目が楽しい158分でした(そんな長かったのか!)。