ゆう

マンチェスター・バイ・ザ・シーのゆうのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ただ日々をやり過ごしてるようなリーだけど、お兄さんの死を悲しみパトリックを想ってるし、それはパトリックも周りの人たちも同じで。
あんなことがあったら自分も死にたくなる。警察署でのリーの気持ちを考えると苦しくなった。
パトリックもあんな感じでも不安で押しつぶされそうだと思うし、冷凍チキンを見て発作が起きたシーンは共感した。

警察署のシーンはじめ、船の操縦をするパトリックを眺めて笑うリーや、ソースが焦げてるのを娘さん達が教えてくれたようなシーン、お兄さんがリーを後見人としたのや、家具を買いに連れ出すのとか、リーが発作を起こしたパトリックを心配してそばにいるシーンなど、たくさん泣いてしまった。
繊細な心理描写が良すぎる。

ラスト、ボストンにパトリックが来るかもってぼそっと言うリー、一緒に釣りをする姿に、パトリックにたくさん選択肢を与えたようで、お互い拠り所になってるようでまた泣けた。一緒にいる中でお互いに思いやってて、最初とは少し変わったように見えた。
壊れた心は癒えないし壊れたままだけど、そのままでも人を思いやって生きていく主人公リーがとても好き。

向き合い方や生きていこうとする方法は人それぞれで、みんな普通に見えて悲しんだり、でもたまに笑ったりして生きてるんだと感じた。
つらいままでも生きていく姿は素敵だと思う。

マンチェスターの景色が寒そうだけどきれいで、じんわり染みた。
そしてなんといってもケイシーアフレックの演技が素晴らしい。
ゆう

ゆう