ベルサイユ製麺

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.3
マクドナルドは如何にして、世界の外食産業の覇者になったのか? もちろん実話。

1954年。“革新的”なシェイクミキサーのセールスマン、レイ・クロックは、普段全く買い手のつかないこのミキサーを8台一気にオーダーしたレストランに興味を持ちます。堪らず車で駆けつけたそのレストランは、従来の常識を覆す得意なシステムで大繁盛していました。完全に分業化、効率化されたキッチン。極端に少ないメニュー。待ち時間30秒。皿もカトラリーも無し。マックとディックの兄弟が1から作り上げた、真に革新的なこのレストランこそが、後のマクドナルドなのでした。

鑑賞前、漠然と“マクドナルドの真実”というお題目からネガティブな印象を受けていたのですが、導入から続くワクワク感、ポジティブさはかなり意外でした。気の利いた演出による部分も大きいのですが、スマートで革新的なアイディアは見ているだけで心踊ってしまうものです。確実にマクドナルド食べたくなりますね。ライスバーガー・焼肉とペプシが良いなー。
で、この革新的なレストランを大々的にフランチャイズ展開しようというレイの情熱≒執念に負けた兄弟から認可が下り、進店続々オープンという辺りまでが前半。まだ楽しい。
後半、レイの野心が暴走を始め、初心とモチベーションが変わってしまってからが、もう、楽しくない…。映画の本質はここからですね。
…難しいなー、この状況。例えば、『ドラゴンボール』。原作者がめっちゃくちゃに楽しみながら描いていた前半のアドベンチャー部分と、需要に応える形でズルズル引き伸ばされていった結果の無限バトル漫画としての後半部分。恐らく支持者が多いのは後半な気がします。
レイ曰く「新しい教会」としてのマクドナルドが、創業者の理念から外れているからと言って、無くなっちゃえば良い、街から出て行けとは言い難いですよね…。
この映画見た後、身の周りにある凡ゆる物の成り立ちが気になってしまっています。iPhone、PC、スニーカー、スーパーマーケット、コンビニ、ジャンプ…。
うう、考えがまとまらないですね…。いずれにせよ、マクドナルドのハンバーガーそのものには、罪はないです。やっぱり食べたい。クラシックアボカドチーズバーガーとレモン&クランベリーソーダが良いな。

〈私とマクドナルド〉
社食の空気が苦手でいつもマクドナルドに行っていた時期があります。大した仕事もしないのにLLセットばっかり食べていたら体重が5kg増えました。ニキビがよく出来ました。
当時マックにはスタンプカードが有って、スタンプをいっぱいにすると目覚まし時計がもらえました。枕元にマックのマークがついた目覚ましが四つ並んでいました。
餌場をミスドに変えてからは随分ご無沙汰でしたが、ちょっと前、渋谷のポケストップ密集地帯にあるマックに始発で通ってはサワムラーを延々と待っていたものです。隣の席のおばあちゃんがミカンを剥いで食べていたのが印象的でした。
ポケゴーも辞めてしまって、また一年以上行ってませんが、いつでもおんなじ味と雑多な客層で楽しく迎えてくれるマックに嫌な感情は微塵もありません。
やっぱりマックは好きです。バーガーチェーン店では5番目位に好き!