Ay

ウインド・リバーのAyのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
3.8
想像を超えた精神を削られる映画。
テイラーシェリダン監督の初めて手掛けた作品。
「ボーダーライン」の監督と知って納得。
緊迫感が凄まじい..

見渡す限り全て雪で覆われた山に住み、仕事も無ければ金も娯楽も無いネイティブアメリカンの村社会。

18歳の女の子が暴行を受けた跡がある状態で遺体で見つかる所から話が進展するんだけど、アメリカって想像以上に複雑。

ワイオミング州ウィンド・リバー保留地の広大な土地にいる警察は6人だけで、手に負えない殺人事件はFBIに捜査依頼を出すんだけど、検死結果は極寒の空気を吸い込んだ事により肺が破裂し自身の血での窒息。

これだと殺人事件では無く事故死になるから、FBIの上層から引き上げ命令が出てしまうのだよ。
でもどう考えても死に追いやられた形跡があるわけ。

かなり複雑で闇深い社会問題が隠されているのが分かるストーリー。

見渡す限り全て雪で覆われた山に住み、仕事は選べず金も娯楽も無いネイティブアメリカンの村社会。
人は何も無い地で生きるとどうなるのか?

「ネイティブアメリカン女性の失踪者に関する統計調査は存在しない」

これが何を意味すると思う?

何が起きようとも未解決で終わるという恐怖に絶句。
Ay

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