てつこてつ

スクリーム4:ネクスト・ジェネレーションのてつこてつのレビュー・感想・評価

3.8
U-NEXTでオリジナルの三部作をせっかく見たので・・。

一応完結を見せた第三作から、およそ10年間の歳月を経て製作された本作ではあるが、リブートやリメイクではなく、しっかりとした続き物となっており、ヒロイン役のネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス、デヴィッド・アークウェットのメインキャラクターが主流となって活躍するので、少なくとも第一作だけは見ておいたほうがいい。

ネーヴ・キャンベルは年齢を重ねても美しいし、前の3部作では気になっていた、ちょっとコミカル過ぎるコートニー・コックスとデヴィッド・アークウェットのやり取りも、本作ではかなり抑えられていて作品に集中しやすい。

このシリーズ全体を通して感心するのは、オリジナル第一作のレベルの高さを全作品に於いて踏襲できている点。さすが、全作通してウェス・クレイヴンが監督なりプロデューサーなりとしっかり関わり、大切に作り上げてきた作品に対する愛情が感じ取れる。

本作は、原点に戻り、第一作にしっかりとオマージュが捧げられ、テーマでもあった「ホラー映画あるある」をベースにした謎の連続殺人鬼を、2010年というSNS産業が大きく成長した時代に合った内容にきちんとアップグレードしている点が見事。

登場キャラクターにも、オリジナル版同様の、怪しい雰囲気満点のボーイフレンド、ホラー映画ヲタクの映画サークルの高校生といった役どころを再登場させ、さらに、ネーヴ・キャンベル演じるヒロインの高校時代の同級生だったという女性保安官も一体何を考えているのか分からぬ雰囲気で、真犯人捜しが楽しい。

ウェス・クレイヴン監督は第一作同様、この作品も、しっかりと見ていると、少なくとも一人の登場キャラに不審な点があることが視聴者にもきちんと分かるというフェアな作りをしてくれている。

このシリーズの醍醐味である、出し惜しみなく、神出鬼没で白昼でも堂々と襲ってくるゴーストマスクの殺人鬼の軽やかな動きと狙われた者たちのアクション満載の死闘の連続で、とにかく展開がスピーディー。スラッシャー・ムービーの体裁ではあるものの、デカいナイフで被害者をグサグサと刺しまくるものの、刺された部分を敢えて大きく映し出すなどの過度なグロ描写がないのも個人的には好み。

オープニングの豪華なゲストを迎えた三段ヲチも見事。「トゥルー・ブラッド」のアンナ・パキン、「ヴェロニカ・マーズ」のクリスティン・ベル、「O.C.」のアダム・ブロディ等、当時、自分がスカパーで見ていた大ヒット連続ドラマの主演クラスが続々と出演してくれているのが素直に嬉しい。

殺人鬼が被害者に出すホラー映画トリビアクイズもレベルアップ。「血を吸うカメラ」という1960年製作のイギリスのホラー映画はさすがに知らなかった。

にしてもこのシリーズのメインキャラクター3人に関しては、一度や二度ナイフで刺されたくらいじゃ死なないくらい生命力強いんだな。
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