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ソング・オブ・ラホールのmakoのネタバレレビュー・内容・結末

ソング・オブ・ラホール(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ジャズ《ドキュメンタリー》映画特集で上映されました。


タリバンに音楽を禁じられ、世間から忘れ去られてしまったパキスタンの伝統音楽の音楽家たちが、音楽と聴衆を取り戻すためジャズに挑戦するドキュメンタリー。

イスラーム教に音楽を禁じられ、伝統音楽家たちは演奏できなくなってしまった。タリバンは「音楽は罪」として、音楽家が殺害されることも(宗教の違いでも殺される)。音楽家では生活するのが難しくなり、転職してしまう者もいた。
何世代も音楽家として活躍していたのに国により禁じられる。観ていて辛かったです。隠れるようにして細々と音楽を続ける彼ら。
このままでは文化、伝統音楽が廃れていく。

そこで考え出されたのが伝統音楽とジャズの融合。
伝統楽器による彼らのジャズカバー映像はアクセス数100万を超え、トランペット奏者のウィントン・マルサリスの目に留まった彼らはニューヨークへ招かれる。

コンサートの4日前にアメリカに渡り、ビッグバンドジャズとリハーサルをする。短期間でのリハーサルはなかなか上手くいかず(シタール奏者がレベルに達してなかった)、ウィントン・マルサリスの表情は固く場はピリピリモード。
それでも伝統音楽家たちを信じ当日を迎える。
ちなみにシタール奏者は別の奏者に交代。運良く現地で見つかった。
私も観ていてヒヤヒヤしてました。このまま本番で大丈夫?と。
でも始まれば、不安は杞憂に終わった。
「Take Five」、素晴らしかった✨
ジャズと伝統音楽がこんなに相性がいいなんて。私もノリノリになった。
劇中では他に2曲演奏され、観客は音楽に魅了されていた。

本作でビッグバンドジャズと共演したのはサッチャル・ジャズ・アンサンブル。アメリカに行ったのは6人。
イスラーム化により廃れてしまったパキスタンの伝統音楽を再生し、継承させようと立ち上がったイッザト・マジードが、2005 年にラホールの中心部に建てた最先端のレコーディングスタジオ「サッチャル・スタジオ」を拠点とするオーケストラ。スタジオ名はイスラーム神秘主義のスーフィー詩人サッチャル・サルマストから名付けられている。

劇中、印象に残った言葉
「パキスタン人はテロリストではなく音楽人だと伝えたい」

とてもいいドキュメンタリー映画でした✨



観客 1階席 1人+?、2階席 5人
字幕翻訳: 大西公子
字幕監修: ?
劇場鑑賞 #44
2021 #51
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