まりぃくりすてぃ

祭りと招待客/パーティーと招待客のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

4.9
このマッドな内容を、嗤える日本人は一人もいないよね? 絶対いないよね? これよりもひどいのが、現在の私たちの国の姿だから。
(社会全体がそうなのではないけど、少なくとも政治家・上級官僚・マスコミ関係者の大半が、2001年“テロ”以降、殊に2011年原発事故以降、あきらかに変なことやってます。黒幕ももちろん存在します。そういうのを一般市民は「語らず・考えず・特には知ろうともしない」のが美徳らしいの。………例えば、総理大臣の私邸のそばで市民が抗議行動するのはちょっとだけなら可能な時があるのに、赤坂のアメリカ大使館から半径2キロ以内では一切デモ行進の許可が下りないってことは、誰も知らないでしょ? その赤坂の街角で一人でプラカード持って立ってるだけでも逮捕されるんだよ。こんなに主権のない国はほかにない。……ずっと前に私、会社のお昼休みに、アメリカ大使館の塀のすぐ外の歩道でひとり歩きながらアイスクリーム食べてたら、警備員に「ここでは食べないでください」って注意されたよ。日本の領土なのに。………だから、国会議事堂前では『アベやめろ』とか『9条守れ』よりも『アメリカ大使館前でデモをする権利ぐらいよこせ』のプラカードを掲げるべきだったね、みんな。そんなことすると日本国内では無視か嘲笑されるけど、外国はみんな大注目してくれるんだよね。私たちが思ってる以上に世界は日本のことをよ~く視てるんだから………………。)

鈴木洋平監督の失敗作『丸』(2014年作)も、本当はこの『パーティーと招待客』に匹敵する高級ホラー映画を目指してたのかも。
最近いろんなところで耳にする意見だけど、一番恐ろしいホラーのタネは、人間。統計上も、毎年地球上で最も数多く人間を殺している生物は、人間。2位は蚊。(私的には咬み犬も怖いけどね。・・・今作のラストの吠え声は『オーメン』の最恐怖墓場シーンに通じる。)
とにかく、上映禁止圧力が政治的にばんばんかかるような映画をもっとみんな創ろう。チェコ人の勇気と知性に学んでさ。