あちぴろ

最後の追跡のあちぴろのレビュー・感想・評価

最後の追跡(2016年製作の映画)
4.1
物悲しい映画だった。

キレやすい兄タナー(ベン・フォスター)と冷静で頭のいい弟トビー(クリス・パイン)。
兄弟は母の残した借金のカタにされた農場を守るために、テキサスの小さな街にある銀行、テキサス・ミッドランズ銀行の2つの支店を襲う。
ミッドランズ銀行が母親を騙していたことを弁護士に聞き、報復とばかりに人の多い街にある支店を襲うことになる。
マーカス(ジェフ・ブリッジス)は定年間近のテキサスレンジャー(アメリカ、テキサス州公安に属する法執行官。アメリカ最古の州法執行機関でハイウェイパトロールとともに、州公安局の中核を担っているとのこと。)。
相棒と共に銀行強盗犯を最後の仕事として追いかける。

渋い。
ボテッとした腹は置いといて、ジェフ・ブリッジスの渋さが味のある大人を映してる。
相棒への軽口もどこか「愛あるいじり」に見えていて、兄弟と相棒の対比が描かれていた。

どんな理由であれ、犯罪は犯罪なんだが、その背景を知るとどうしても憎めない。
あの時、2人で乗り換える事で捕まると判断したんだろうか。それとも、人を殺してしまった事で兄が弟を守る為だったのか。弟は居た堪れないだろう。殺した相手を始末したくなるだろう。


「ワンダーウーマン」とかで観るクリス・パインがどうも好きになれんのだけど、本作のクリス・パインはガラリと雰囲気が変わり、影のあるいい演技だった。

派手さはない映画だったが、多分心に残る映画の様なそんな気がする。

ジェフ・ブリッジス祭り第三弾。
あちぴろ

あちぴろ