あーや

カフェ・ソサエティのあーやのレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
4.8
30年代の古き良きアメリカ映画の数々、優雅でしっとりと聞かせるジャズ、ややこしい恋愛模様、どうしようもない登場人物たちに思わずうっとりとしてしまう。映画鑑賞後には夢から覚めたように映画館を後にする私たち観客。ウディ・アレン監督の最新作「Cafe Society」は安定の良作でした。

「NO more映画泥棒」を見流した後、落ち着いたメロディのジャズが流れた瞬間にウディ・アレンの世界へ一気に惹き込まれ、その心地良さに安堵してスクリーンを見つめている。そうそう。私が欲していたのはこれですよ、この感じ!いつも通りやー。マンハッタンにユダヤ教に奔放な恋愛・・ストーリーに意外性はほとんど無いのに、移ろいゆく作品の世界から目が離せなくなる。ほんのりと色気を含んだ美しいシーンの数々が目を癒してくれます。本作で撮影監督のヴィットリオ・ストラーロと初めてコンビを組んだらしいのですが、彼の静観したような少し霞んだ画とウディ・アレン特有の味わいである大人のロマンスは相性抜群!特に蝋燭の仄かな灯りにぼんやり照らされる泣き腫らした顔のクリステンスチュアート、マンハッタンの橋の上で朝焼けに照らされるクリステンスチュアート、最後の美しいオーバーラップで魅せるクリステンスチュアート、一にも二にもクリステンスチュアート♡!これまであまり好きな顔ではなかったはずのクリステンスチュアートですが、本作での息をのむ美しさにはやられました・・。媚びた甘さが全くない端正な美しい顔立ちは、すっきり爽やかミント味!「私が今1番好きな顔」認定です!
いつも通りお得意のアメリカンジョークでクスッとさせてくれるし、展開の早さとテンポの良さは観る者を少しも退屈させない。現実離れしたロマンスが終わりを迎えた後はしっかりとほろ苦いオチがある。んんーっ!良い!これからも勿論ウディ・アレンの新作は追っていきます。創作意欲がある内はまだまだ長生きしてもらわなくちゃね(^^)
あーや

あーや