カリカリ亭ガリガリ

カフェ・ソサエティのカリカリ亭ガリガリのレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
5.0
「ウディ・アレン版『ラ・ラ・ランド』。より厳密に言えば、『ラ・ラ・ランド』のラスト10分間及び30秒についての映画とも言える。30代の若手監督と80代の監督がほぼ同様の題材を同じ時代に作っているのは大変興味深い。そして其れは、アレン前作のヒロインがエマ・ストーンであったことを考えると、つくづく映画というのは面白いなあと感じる次第。
兎にも角にも、名匠ヴィットリオ・ストラーロの撮影!!!しかもデジタルにして鮮やかな画面設計、キャメラの動きは凄まじく、満席の場内でジサマとバサマ諸氏に挟まれながら「ぎゃあ!」とか「うわぁ!」と叫びそうになった。ロサンゼルスなのにニューヨークに見えるし、何ならイタリア映画のようにも見えてしまうから勘弁してくれよおじいちゃんたち。
モストオブ目つき悪いティーン女優のクリステン・スチュワートは、その浮世離れした美しさが映画本編からも浮いている節は否めないものの、またそこが非常に良い。
シャネルが衣装を監修しているので人物が身に着けている服がどれも素敵なのだけれど、少し時代考証としてそれはドウかしら?な箇所も。もっとも、クリステンは短パン衣装なんだが、40年代のハリウッドでは、それはスポーツ用の衣装だったりするので。
あとは否応なく、いよいよアレンが自身の過去を整理し始めた気配。その辺が、野心に燃えるデイミアン・チャゼルくんとは別の結論。言い換えればネチネチしていない。チャゼっちゃんが「忘れられないんだよおお(;_;)」なのに対して「ま、忘れとこか(^.^)」って感じ。チャゼっちゃんの感想をお聞きしたいものです」