サラリーマン岡崎

ラビング 愛という名前のふたりのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

4.6
思っていた印象とは異なる描き方をしていた。
広告を見る限り、異人種間結婚のために闘った夫婦ということで、闘いのシーンが多く出てくるのかと思いきや、
彼女たちが訴訟を決めてからは、彼女たちが裁判に入るシーンは一切ない。

ちょっと物足りなさも感じるかもしれない。
けど、この演出の仕方の意図は最後にわかる。
彼らは「英雄視を嫌った」という。
その彼女たちの意思を尊重した、愛のある演出なのだ。

そして、英雄らしく描かない分、
夫婦の話が多くシーンとして切り取られる。
故郷の愛が止められなく、奮闘する妻を、
不器用ながらも「守る」と誓う夫。
その不器用だけど、愛おしい愛がたまらない。

世界を変えることをしたかったんじゃなく、
ただただ、妻を、夫を、家族を守りたかった。
この映画は大きな話ではなく、そういうこじんまりした、だけど大切なことを描いた映画なのである。

朝っぱらから号泣ですわ。