TakashiM

マリアンヌのTakashiMのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.7
冒頭の流れるような変装シーンで、007ばりのスパイ映画かなと思ったら、全然違った!

潜入先の社交界に、自然に溶け込んでいるマリアンヌは「気持ちに偽りがないから(任務が)うまくいく」と言う。
それが彼女の任務への向き合い方。
いつの間にか彼女を好きになっちゃったブラピにとって、任務が終わっても一緒にいてくれるのであれば、その言葉はどうでもよかったはず。
しかしこの言葉は、後々重たい意味を帯びてくる。

少しネタバレ。。






出産のときにマリアンヌが叫んだ言葉。
あれは心の叫びだったね。

彼女にとって、ブラピが本当に大切な人に変わっていく中で、散々葛藤した上での叫びだったはず。
そこには騙そうという気持ちはなかった。自分のことを心から信じてほしいという想いが溢れていた。
気持ちに偽りはない。それは確かなのよと。
でも、でも、でもね。。。


ラストは辛いね。
彼女は心の潔白を示し、旦那と子供を救ったわけだが、どう考えても他の選択肢が全く無かったのが悲しすぎる。

このお話におけるマリアンヌの幸せは、全部任務の中での幸せだった。
その中で見つけた、本当の幸せ。
どんなに求めても、絶対に届かない。
それもわかってたんだろうと思うと、最初から最後までずっと救われない人生だったのなー。。
TakashiM

TakashiM