のら

彼女と彼女の猫 -Everything Flows-ののらのレビュー・感想・評価

2.0
モノトーンを貴重とした画や演出も良く、彼女の生活を野良猫の目線で追うという話も悪くはないが、正直薄気味悪い作品になっている。

物を作るという行為は本質的には、自身の内面と向き合う、ある意味において孤独の深淵と突き進む行為なわけだが、この作品は作者の自家中毒を引き起こしており、作品を作るうちに募る孤独を、この作品が癒すという、無限ループに陥っているように見える。

つまりこの作品の中に出てくる彼女は作者の孤独を癒すために何万回も猫を拾い、何万回も心に傷を追い、そして作者の世界を何万回も全肯定させられ続けるのだ。

ビジュアルは素晴らしくても、そこで語られている物語は肯定出来るものではない。
のら

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