「森や丘や谷を前にすると
動物や他のものだった
私の前世が現れる。」
静かな森で、鳥のさえずりや虫の声が聞こえてきます。
カサカサ聞こえるので目を向けると水辺にヌーが立っていました。
タイにはまだまだ自然の部分が残っています。ブンミおじさんが暮らす村も森のような場所でした。
タイのゆったりした生活がわかるようにちょっとしたワンシーンも長く撮られています。
だからこそ、生活の息遣い、足音、少ない台詞が印象的に映ります。
こんなところで産まれて生きてきたら、どうだろうか。
ブンミおじさんは腎臓を悪くし透析をしています。
医者がやって来てくれます。お手伝いに移民の青年が通っています。
そんなある日、死んだ奥さんが幽霊になって現れます。
死んだ後の世界を信じる信心深い東南アジアの童話のような物語です。
観ていると、心の奥底が綺麗になっていくような。懐かしい綺麗なものに触れていくような。そんな気持ちになる映画でした。
…ラストはちょっと自分なりの解釈をしてください。という感じでした。
「精霊と飢えた動物たち。
僕のような。
父さんの病気を感じて集まった。」