まとぅん

LOGAN ローガンのまとぅんのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
5.0
衝撃的でかなりの傑作🎬
単体作としても行ける。公開当時、ウルヴァリンは一旦ここで終わりだったのか。
ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリン/ローガンを主役に描く『ウルヴァリン』シリーズ第3作。


ーミュータントの大半が死滅した2029年。不死身の治癒能力が失われつつあるローガンは運転手として働き、老衰したプロフェッサーXを匿いながら、ひっそりと暮らしていた。そんなある日、組織に追われているローラという謎めいた少女を保護することになったローガンは、チャールズを伴い3人で逃避行を繰り広げることになるのだが…


↓ネタバレ含む❗️



○開始数分で、「あ、これまずいやつか…?」と察した。
共に年老いたチャールズとローガン、そして何者かに追われる少女ローラの3人が組織から逃げるのが主。擬似家族として祖父・父・娘のロードムービーのような雰囲気。
だが、これまでのシリーズと比べて段違いにゴア描写も多いR指定作品。
そして、アダマンチウムの毒に自死を覚悟するローガン。
それらが相まってローガンと我々が痛みを共有するかのように息苦しいシーンは続き、とんでもなく重く、時間が経つのも遅く感じてしまう😨(良い意味で)
チャールズも老衰により介護が必要で、時折暴走してしまう能力を注射で抑えては落ち着かせ、と精神的にも肉体的にもローガンを追い詰めている。

そんな3人の元に、ふいに訪れたある家族との出会いで一瞬の平穏は訪れるが、追ってくる敵の襲撃によりさらに心を抉られる出来事が…マジで言葉を失った。。


○ローラ始め、クローンとして生成されたミュータントの子ども達。
最近観た北欧発『イノセンツ』同様、能力を操るのも未熟な子どもの無意識な凶暴性も表現されていました。
絶滅危惧種のミュータント/マイノリティ層の迫害はX-MENシリーズを通しての一大テーマと思う。『X-MEN:F&P』の未来編が2023年、今作は2029年が舞台とその6年後に起きた出来事と考えると、急速に進んでんだな。

○ローラから絞り出た「パパ」の言葉…😢
そして「そうか、こんな感じなのか…」と言うローガン。墓に建てられた「X」の文字。
いやいや!ずるいって!!
"主人公の死"はヒーローものの宿命なのか。
今までのX-MENシリーズとはまた違った余韻が残る。シリーズ1作目から戦ってきたウルヴァリン/ローガンお疲れ様でした。
一時は失いかけた希望の光、ヒーローとしての道をチャールズがボケながらも師としてローガンを導いてくれた。未来残る子ども達を守ってくれた彼は最後の最後までヒーローでした。世代交代か、未来への想いは繋がった。
不老不死のヒーローでさえ、年老いて死ぬ。
何度も何度も望んだ死の瞬間を、エデンの園で"愛娘"達に見送られたローガンは幸せでしょう。


p.s.
傑作的に終わったローガンが復活するのは嬉しい反面、綺麗にまとめた今作を観たら反対意見も出てるんだろな。マルチバースという設定と細部をあやふやにしてきたX-MENシリーズだから許されるっちゃ許されるのかも?
ローラ役のダフネ・キーンも『デッドプール3』に出てきたら面白いですね!
まとぅん

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