カテリーナ

ハクソー・リッジのカテリーナのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.6
背景となった沖縄戦

沖縄戦

太平洋戦争末期の1945年4月、沖縄本島に米軍が上陸した。日本軍は、本土上陸を遅らせるための持久作戦をとり、約3カ月間、県民を巻き込んだ地上戦が続いた。各地では、住民がまとまって命を絶つ「集団自決」もあった。6月23日、日本軍司令官が自死し、組織的な戦闘が終わったとされる。沖縄戦の死者は米軍を含めて20万人以上に上り、県民の4分の1が犠牲になった。
(2017-06-23 朝日新聞 夕刊 1総合)

歴史に疎い私が映画を見る事によって少しずつ目にするようになって行く戦争の記録
最も過酷な接近戦とされている沖縄戦
1945年私が生まれる僅か18年前の事だ
当時の残された写真を見て胸が締め付けられる 4、5歳の女の子が赤ちゃんをおぶって前に進む その女の子は最早子供の顔ではなかった 純真さは必死さにすり替えられる 戦争は子供から全てを奪い去るものなのだと悟った

1945年5月沖縄のハクソー・リッジに到着したデズモンドは武器を一切使用しない条件で戦闘に参加する 衛生兵だ
戦争で誰も殺さず 日本兵2名を含む75名の命を救った 実話に基づく 俄かに信じられない奇跡のような話しである
この美しいデズモンドの冒険譚は現地に到着するまでに至る壮絶な精神的な戦いも描く 己の武器を絶対に手にしないという信念を貫く それだけの事に此処まで追い詰められ痛めつけられるのかと容赦無い
それを見ればわかる決して平らな道ではなかった 彼は聖人ではないただのアメリカの
朴訥な青年でしかない
そんな彼が沖縄の兵士と県民を苦しめた
ハクソーリッジでの闘いで
ただ一人 血と埃と汗に塗れて己と闘っていたのだ 汚れた軍服と傷だらけの手で

その姿をその事実を映画を通して知ることができて私には感謝しかない
私たちの沖縄戦で亡くなった小さな女の子にデズモンドが必死に命を救おうとした魂が届いていたらいいなと思わずにいられなかった
カテリーナ

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