ベルサイユ製麺

クレイジー・ナインのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

クレイジー・ナイン(2015年製作の映画)
2.5
※悪口しか書いてませんよ!

ファイヤー・リーとかいう格闘ゲームぽい名前の監督の作品です。パンチが燃えるのでしょうね。YOU LOSE!
チャラついた雰囲気のパッケージが好みに合わなしですし、香港映画は最近ハズしがちでもあるのでスルーしたいところなのですが、ラム・シューが出てるのでね。ラム・シューには依存性が有りますね。

あー。イントロから“個性的な映画”アピールが凄いよ!主人公の冴えない若者のモノローグ。漫画的な不幸な出来事。軽口のラリーの様な会話シーン。“魅力的でスムーズな導入”でもって、主人公は物語の舞台となる深夜のコンビニで働くまでの顛末を描きましたよー、かな。ふうん…。

基調はコメディです。深夜のコンビニに次々と現れる風変わりな客達。ひょんな事が引き金となって、閉鎖されたコンビニは生き残りゲームの舞台になります。
日本のテレビドラマとかにもありそうで、特段フレッシュでもないですけど、一聴すると面白そうな設定に思えますよね。コメディ調にしたのはきっと、タランティーノだかロドリゲスだかロスだかペッグだかみたいにやりたかったのかな。
バイオレンスの中の“笑い”って、使い様で狂気や恐怖を増幅させますよね。上手くやれば、だけれども。
…かくして、人の命や尊厳を軽んじてはふざける、ひたすらに不遜で不愉快な生き残りゲームごっこの幕が雑に切って落とされた!
ルールがぐらっぐら!香港映画お馴染みの女性への暴力!多分ジョークだと思われる奇妙なセリフ!ラム・シュー可愛い!カッコいいだろう?な射殺シーン!…もう端折っちゃうけど、全く飲み込めないラストの展開のツイスト具合!
なんかもう、全然上手くないよ。一回大きめな紙に、このお話がちゃんと繋がってるかプロット書き出してみなよー。絵と矢印とかでいいからさー。
いや、話の破綻具合は香港映画としては有り得るクオリティなのかもしれないけど、それを補って余りある何かが必要ですよ。この作品は、破綻(自覚は無いかも)を補うために何故か不快なギャグを詰め込んでる感じ。こっちの感覚がおかしいのかなー?香港の観客は〈暇つぶしに売り物のスキンに針で穴を開ける主人公の青年〉を愉快と感じるのかなー?全然理解できないや。あと、なんとなく想像はしてたけど、性の多様性には全く理解無いみたいね。

多分、今作はラム・シュー出てなかったら早送り物件でしたね。改めてジャッキー・チェンの映画が、如何に優しいバランスで作られているのかが分かりました。ジャッキー、いつもありがとう。また良さそうな香港映画あったら観てみます。
久々に単なる不機嫌レビューになっちゃっいました。すいません。