TaKeiteaZy

哭声 コクソンのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.3
韓国の田舎町で突如発生し始めた凄惨な殺人事件。町の皆がどんどんおかしくなっていく...今まで何にもなかったはずなのに...もしかしてあの日本人(國村隼)が何か怪しい?と隼の秘密を突き止めようとする警察官ジョング。その「おかしさ」の毒牙は彼の家族にも忍び寄る、一体何が起きて、誰のせいなんだ!もうきつい!誰か何とかして!隼は何しに来たのよ!?な話。

「パラサイト」から韓国映画てすげえな、なってるので色々見始めて、まずはずっと気になっていたこれから。

ずっと山の中で血塗れな事件がひたすら起きてみんな泥だらけで土砂降りで走り回ってる。これ撮影めちゃくちゃキツかったろうな。國村さんも結構なお年なのに、こんな山の中で裸にされまくるのか、と心中察してしまったがそれこそがまさに役者が生きるということなのだろう。

平和な町だったのに、突然家族で殺しあったり、ゾンビみたいに気が狂ったり、皮膚病になったり、まるでだだっ広い「災厄のヴェール」みたいなのが町を覆っているような状態。その中に佇む謎の日本人國村隼が、一体何をしているのか。エクソシズム、シャーマニズムが本当に存在するのか、そもそもそれが全てなのか?ひたすら150分こっちを揺さぶりまくって、結局正解にたどり着けない状態が最後の最後までこちらの精神を握って離しません。そういう意味での心地よさ、握られてる感がずっとあるんだけど、見終わった後、それが解放されてるか、て言ったらまた別の話でこれはずっと握られたまま持っていかれた感があるな、と。精神は血塗れのままぐっしょりして、そのままおいてきぼり。

なんか、ホラーてこういうのだったなぁ、ていうのを思い出させてくれるところもありながら、めちゃくちゃピーキーな仕上げ方をしたなぁとも思う。下手すると「マジで何もわかんなかったわ、金返せ」と言われても今の時代おかしくないお話でした。

楳図かずお先生の「神の左手悪魔の右手」みたいな印象。

除霊のシーンだけはマジで圧巻でした。あれ俺も休日公民館とか借りてやりてえな。
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