やまぞう

ディストピア パンドラの少女のやまぞうのレビュー・感想・評価

3.0
とある施設の中、幼い子供達が車椅子に手足、頭部まで拘束され、軍人達が銃を構える厳戒態勢の中で生活している。

この子供達は一体何者なのか。

謎の菌(作中ではタイワンヒラタケというキノコの菌が突然変異)により、人類の大半が生きた肉を喰らう“ハングリーズ”と化した近未来。

施設の中で拘束されている子供たちは、その菌と共生できる第2世代「セカンド・チルドレン」として、人類をワクチンで救うための研究材料なワケだが...

そもそも、人類の大半がゾンビ化してる状況で、まだワクチンが開発されていないのであれば、それはもう食い止める術は無いのじゃないだろーか。

ただ本能のままに人を襲い肉を喰らうハングリーズとは違い、セカンド・チルドレンは知性や感情もあり、ほぼ人間の子供である。
生きた肉の匂いで狂暴化してしまう以外は。

そんなセカンド・チルドレンの一人であるメラニーは、高い知能と優しい心を持つ少女だ。

実験動物ないし怪物のように扱われる過酷で理不尽な環境下でも、人間を救おうとするメラニーに心打たれる。

作中で語られる「シュレディンガーの猫」の話だが、これって何の理論だったっけ?
と気になって改めて調べてみたら、量子力学におけるパラドックス??
本作の何らかのメタファーなのか?

原作小説を読んでみたい。
やまぞう

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