あざらし

ディストピア パンドラの少女のあざらしのレビュー・感想・評価

3.6
「でも、悪いことなんて、ここには無いわ。」

1234…数を数える少女メラニー。
タイマーが鳴るとメラニーは車椅子に座りました。部屋に入って来たのは銃を構えた2人の兵士です。兵士は少女の身体を車椅子に固定し出します。

そんな子ども達はニ十人いました。彼らはとある部屋に並べられますが、そこは教室のようです。子ども達は車椅子に固定されたまま、授業を受け始めるのです。

ハングリーズという感染症により、ゾンビ化した死体が人を襲う世界。
ハングリーズへのワクチンの開発に、人間とハングリーズの境界であるメラニーのような子ども達が研究に使われていました。

しかし、その軍事基地もハングリーズらに襲われ、メラニーと共に生き残った兵士らは生き残りをかけて闘うのでした。

ゾンビ映画ですが、メラニーというワクチンの元になる子どもという設定が活きていて、それがこの映画のストーリーを成り立たせています。

メラニーがとても子どもらしい純な表情をするので、ゾンビ化したハングリーズだとは思っていても、切なく感じてしまいます。

ゾンビ映画は本当にたくさんあると思いますが、ヒューマニズム映画としても観られる作品だと感じます。

また、ゾンビ映画にはラストが曖昧である場合が多いですが、この映画には最期まで描かれているので、その点がきちんとされているのが評価できるのではないでしょうか。

「人間の姿に騙されるな」
あざらし

あざらし