ベルサイユ製麺

ドッグ・イート・ドッグのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

ドッグ・イート・ドッグ(2016年製作の映画)
3.1
ニコラス・ケイジという現象には興味があるのだけれど、作品選びに凄くクセのある印象で、殆ど出演作を観ていません…。振り返るとなんと『キック・アス』以来でした。観てないというよりもはや避けているのに近い状態なのですが、今作はウィレム・デフォーという保険が効いているのと、日本の某パンクバンドの『dog eat dog』という曲が好きなので勝手に好印象をもって観てみることにしました。

が、

ニコラス云々以前に、めちゃくちゃクセが強い作品です…。冒頭から多動症的かつドリーミーな、人を食った風の演出がずっと続いて「うわ」とか思うのですけど、だんだんそれが良くなってきたりもして…。このスカム感に憶えがあるなー、と思ったらヘルツォークですね。ヘルツォークを躁病にしたような感じ。(個人の感想ですよ!)

囚人時代の悪友3人組が雑なプランでお金を掴もうとする話。ザッツ・オール!
デフォーは物凄く人格が破綻したキャラクターを演じていて、観ていて辛かったです。もっと豊かな演技をさせてあげて欲しい…。
超久しぶりのニコラス・ケイジは、…特に感想とか無いかな。なんとなく本人もそういうつもりでお仕事されているような気がします。
で、今作で特徴的なのが“だらだら喋り”です。主要キャラクター3人が、ストリップ小屋で、アジトで、車の中で、内容の無い雑談をしまくります。これがとにかく辛い!タランティーノ的なユーモアとかも特に無くて、体感時間がどんどん長くなっていきます…。はぁ。

えー、ところで皆様はご存知でしょうか?DVDプレイヤーのリモコン。その真ん中の右寄り辺りにあるボタンの事を。右向きの三角が2つ並んだボタンです。…これ、押したら何が起こるのだろうなぁ。気になるなぁ。


…という事で、中盤辺りまではちょっとぐずぐずした印象でしたが、途中からどんどんテンポ良くなっていきまして、あっという間に観終わってしまいました!何故だか心がちょっと痛みますが、きっとおセンチなラストシーンのせいでしょう。ニコラスは引退なんて考えずに、ずっとこのぐらいのテンションでキャリアを続けて欲しいですね。もう、どんなにグズグズな展開でも平気だよ!キュルル〜。