deenity

22年目の告白 私が殺人犯ですのdeenityのレビュー・感想・評価

3.5
なんかありきたりなミステリー作品かと思って注目してませんでしたが、見てみると意外とこれが面白い。
元々は本作はリメイク版で元の作品はあるみたいですね。そんなことすら知らずの鑑賞だったので、当然ネタバレとかも一切知らない状態でしたが、まあ時効が成立したからといってのうのうと手記を出版するわけがないとは思いましたが、まさかそんな展開だとは。ミステリー展開としても質が高く、なかなかハラハラドキドキを楽しめるのは良かったですね。

一番の見所はやはりテレビ局での生放送のシーンで、あの辺りからの二転三転する展開は結構面白いと思います。正直二つ目の仕掛けとかはわかりやすいと思うんですが、一つ目の仕掛けにはあまり気づいていなくて、そこでの種明かしにはびっくりしました。

惜しいのはここからの失速具合ですよね。終盤に差し掛かり、犯人との対峙シーン辺りからどうも興冷めしている自分がいて、もうそこへの導き方とかが安っぽかったのとか無理矢理感がすごいのとか何故その場所に辿り着けるのかとか、そういったいろんな要素が絶妙にダサくてがっかりしちゃいましたね。
それに『セブン』のラストみたいな展開になってくるし。ブラピを止めに入れなかったのは銃を手にしていたからであって、あんたなら止めに行けるでしょうが。
やはりミステリー作品の着地は大事だと改めて感じました。

まあ本作でのもう一つの面白みとして本を出版後の世の騒ぎようってのがあると思いますが、ある意味皮肉的ではありますが、さすがに道徳的にそこまでの反応にはならんと思うんですがね。
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