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あゝ、荒野 前篇のkのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
3.7
公開当時はそれほど話題にならなかった作品。でも、公開期間が二週間ほどで、すぐ配信が始まった印象。キャストもキャストだし、回収できたのかなぁと心配したのを覚えています。

監督は、テレビマンユニオンでの是枝さんの同期、岸善幸監督。ライバル関係にありながらも、今でも親交が続いてるそうな。前作「二重生活」はドキュメンタリーぽさが滲む印象でしたが、今作は全然それを感じさせない仕上がりでした。また、テレビ出身にしては、結構好き勝手にレイティングを気にしていない印象も。テレビ出身者だとそういうところに気を使う人が多いと思ってたんですが。

キャスティングがなんとも絶妙です。こういう役はこの人だよね、という代名詞をあてています。筆頭は木村多江さんですかね。ちょっと影のあるミステリアスなしっかり者の女性と言えば、ですよ。あとは、ヤン・イクチュン。年数は経っているにしても「息もできない」と同じ人物に見えません。日本語のたどたどしさもキャラクターの弱さに直結していて、いい演技かついいキャスティングです。

話の中心にボクシングを据えながら、二人のボクサーとそれを取り巻く人々の群像劇、といった説明が相応しいんではないでしょうか。そう言ってくれれば面白そうなのになぁ。変に長いんで避けちゃいますよね、この手の作品は。ただ見れば面白いです。
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