ネズミのCGはあの天下の20世紀フォックスが担当しているため、TV映画ながらかなり高水準の出来で素晴らしかった。
ストーリーは普通のB級映画みたいな感じかな。
ちなみに1983年のイタリアのラッツというネズミパニック映画と非常にタイトルが似ているため、注意して下さい。

異常繁殖した獰猛なネズミが人間に襲い掛かるモンスター・パニック映画。テレビ映画なので過度の期待は禁物だが、この手のジャンルはアルバトロスのエアポートシリーズと並んで安心して観られるジャンルのひとつだと私は思う。

話自体は既存するネズミ映画の礎と何ら変わりはないのだが、終盤のネズミがてんこもりになったスイミングプールのシーンが本作一番の見所であろう。数千万ものネズミが溢れ返る様はまさに地獄絵図で、一個体で見るとなかなかプリティーなだけにこのギャップが怖い。

こういうネズミ映画を観た時に毎回思うのだが、CGでなく実際のネズミを使用しているシーンはどういう風に撮影をしているのだろうか。あわよくばこの舞台裏を観てみたいが、テレビ映画故にメイキングなどがあるわけでもなし。う～ん…謎！

それからテレビ映画独特のブツ切りにしたような場面切り替えが相変わらず目につくが、そこは あ、今CM入りました～！みたいな感覚で観るのが望ましい。

 

高級デパートの試着室で女性客がネズミに指先を噛まれる。デパートで働くスーザンは駆除業者のジャックと共に調査を始めるが、デパートの地下空間には巨大なネズミの巣が広がっていた…というストーリー。
地下から凶暴なネズミの大群が溢れて人々を襲うアニパニTVMです。ビンセント・ドーン監督との同じくネズミを題材にしたC級モンスターパニックとは同名ですが別物です。
地下空間に巣食うネズミの大群がデパートやプールなどに現れ、被害が出る中、主人公の男女が調査を死、その行方を追いながら退治の方法を探っていくというまあ、王道なストーリーで、TVMの為派手なシーンもなく地味な印象はありますが、ネズミを共に追う中で段々いい感じになっていく主人公達のドラマなど手堅く作られていて飽きることなく見れましたね。前半登場する小鳥やネズミを沢山飼ってて愛情を注いでいる主人公親子の住むアパートの大家のオッサンは中々いいキャラしてましたね。すぐ食われちゃうのが残念でした。
前半の子供のスイミングスクールが開かれるプールにネズミの群れが現れるシーンや地下鉄がネズミのせいで止まってその電車がネズミで覆われるシーンは結構ゾッとさせられました。やっぱりウジャウジャ群れで襲ってくるのは気持ち悪いですね。デパートで特殊ライトで照らしたら化粧品売り場がそこらじゅうネズミの糞だらけのシーンもゾッとしました。
圧巻は終盤の大量のネズミたちを一網打尽にするためプールに誘き寄せるシーンで排水溝から大量のネズミたちが噴水の様に吹き上がってくる様はインパクト抜群でした。主人公ジャックの相棒の黒人が狭い通路を大量のネズミに追われて這いずって必死に逃げるシーンもハラハラさせられました。でも、あのネズミプールに落ちたヒロインが顔とかに噛み傷あるくらいで済んだのは主人公補正すぎると思いましたね(笑)
異常に攻撃的なネズミの理由なども一応説明あるのも良かったですね。でも、一番最初にネズミに噛まれて病気になった人は、そこから感染パニック要素も加えて抗体探したりする話で盛り上げるかと思いきや特に何の手も打たれないままほったらかしで終わりましたね。あの人がその後どうなったかも描かれなかったし。
小粒ながらパニック映画としては高水準で十分楽しめる作品だと思います。