まりぃくりすてぃ

ホドロフスキーの虹泥棒のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

ホドロフスキーの虹泥棒(1990年製作の映画)
3.0
幸か不幸か私は、地下の下水道世界が実際はどんななのかよく知ってる。この映画で描かれてる地下はデタラメだ。

晴天平常時の水位をみると、この映画の下水道は雨水専用ということは絶対にありえず、生活排水(トイレ排水含む)主体のはず。その汚水は当然もっともっともっと糞尿・洗剤だらけで、オイルボール(油が固まったもの)や幾多のゴミ、そしてネズミの死骸が常にだいたい浮く。見た目にも鼻的にも凄いだけじゃなく、不断に発生する大量の硫化水素は人をわずか数時間で意識不明にさせるほどの猛毒性を持つ。
したがって、換気さえされていないマンホール内の地下空間から出ずに何年も生活することは、太陽を人が食べるのと同じぐらい不可能。ピーター・オトゥールさんの命が千個あっても足りません。

老いた名優らを拝する映画としては、(終盤にヤマも来るし)まあまあ面白かった。。。 でも、ピーターさんはいつでもどこでも年とっても感じが変わらない人だね。一緒に生きるとなると退屈にちがいない。目二つだけアクセとしてプレゼントしてもらえれば充分かも。(うそ。)