エイデン

アイム・ノット・シリアルキラーのエイデンのレビュー・感想・評価

-
田舎町に住むジョンは、普通とは違う日常を送っていた
幼い頃から人の死や殺人に異常な興味を示していたジョンは、“ソシオパス(社会病質者)”と診断されていた
母エイプリルと叔母マーガレットが営む葬儀屋で死体の防腐処理を手伝っていたこともあり学校では執拗ないじめを受ける日々
一方カウンセリングを行う担当医のネブリンは、献身的にジョンを支え、彼もそれに応えようと自分に厳格なルールを課して殺人衝動を抑え込んでいた
そんなある日、平和だった町に殺人事件の知らせが飛び込む
母の仕事場に運び込まれてきた遺体は、無残にも腎臓がえぐり取られたことでジョンは興味を抱く
報道によればその事件は、別の州で43年前に起きた殺人事件の際に見つかったものと同じDNAが見つかったという
勝手に殺人犯を特定しようと動き始めたジョンは、犯人の目星をつけ後をつけ始める
すると、ジョン家の近所に住む老人クローリーが彼に接触したかと思うと、クローリーは突然男に襲いかかり・・・



人を殺したくないソシオパスの少年と、シリアルキラーの老人と戦いを描いたサイコ・サスペンス

ほぼヤバいやつな主人公の前に現れたのは、デロリアンを捨てたベテラン殺人鬼クリストファー・ロイドだった!

全編がソシオパスな主人公目線で、渇いた世界が描かれたかと思うと、その世界に潤いを与えたのが良くも悪くも猟奇殺人ってのは最高に気持ち悪くて好き

殺人鬼にもなれず、普通の人にもなれない主人公のヒューマンドラマでもあるんだけど、視点が異なりすぎてほぼ共感できないように作られてるのが逆に丁寧
それでもシリアルキラーを前にして成長する主人公は予想とは違っていたけど面白かった

『ピラニア』以降久々にクリストファー・ロイドを観たけど、おじいちゃんになりながらも凄みがあって大変良かった
このシリアルキラーの落とし所も大変グッと来た

万人ウケは期待できないけど、トチ狂ったヒューマンドラマとしては最高なので、中二病の人とかにはオススメです
エイデン

エイデン