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トンネル 闇に鎖(とざ)された男のskm818のレビュー・感想・評価

3.8
あまり評判になってないので、どうかなと思いながら見にいったが、ケッコーよかった。この手のものにはありがちな感じではあるが、手に汗握る展開。
トンネル崩落というから、笹子トンネルみたいなことかと思っていたが、手抜き工事で山ごと崩れたらしい。しかも救助はトンネルの設計図を元に場所の見当をつけて掘るわけだけど、その設計図と実際が違うという、これも手抜き。すごすぎ。山ごと崩れてきてるのにぺしゃんこになってない車もすごすぎ(物理的にあり得るのかこれ)。しかもガソリン満タンにしてたおかげで割と最後のほうまで明かりがつくしラジオも聴けるっていう。スマホも幸い壊れてなくて電波も入ってくる。大変な状況ではあるんだけど、なんだか感心してしまう。
冒頭5分くらいですぐ崩落になるんだが、その前にガソリンスタンドに寄っている。満タンにしていなければ事故には巻き込まれなかったかもしれないが、水もなかったよね。途中で出てきた女の子がいなければ水はもうちょっと保ったと思うが(それでも多分最後までは無理)、数日間ではあったが彼女と犬がいたおかげである程度頑張れたってこともあるだろう。女の子は岩に押しつぶされて動けなかったのに(しかも多分見えないだけで下半身はひどいことになってたんだと思う)彼はほとんど怪我もせず、彼女に水を分けてあげたりスマホを使わせてあげたりとかって美化しすぎかも。
ちょっとあの女の子ウザかった。犬も。日数経ったケーキ食って腹下さないのかと思ったが、冬だったしな。夏だったらああいう環境暑いだろうし食あたりして脱水して死んでたかも。足の怪我もあれでばい菌入って死ぬ人もいることを考えるとな。ちょう運がいい人だよね。
救助隊長役のオ・ダルスも良かった。ありがちの役回りではあるけども、あの男気?は見てて気持ちがいい。逆にあの卵を投げた作業班長の母親らしいババア。なんで息子が死んだのがトンネルに閉じ込められてる人のせいになるんだ? あれどう見ても、道具の手入れとかいい加減な操作のせいであって、班長を殺したのはあのいい加減な作業員でしょ。
ああいうの適当な相手を悪者にしてマスコミが煽ってるんだよな。生きてるか死んでるかわからない人間1人のために犠牲者も出た、経済的にも多大な損失が発生してるっての。この映画はそういう数値だけ見るような態度を批判しているわけだよな。よくあるテーマですが。
それにしてもやむなくとはいえ一度は彼の生存を諦めてトンネル工事再開を認めてしまった妻を主人公は許せるのか? そこで冷ややかなことになったりしないのか? そうなると別の話になっちゃうけど。
そしてあの犬はやっぱり彼らに飼われることになるのかな。
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